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急須(きゅうす)は、茶をいれて注ぐ際に使用される道具。取っ手が注ぎ口から見て右側に突き出しているのが特徴。乾燥させた茶葉を入れ、湯を注いで茶葉が開くのを待ち、傾けて茶を茶碗などに注ぐ。急須は薬缶(やかん)と異なり、直接火に掛けないのが特徴である。
英語圏ではティーポットも急須も一括りにティーポット(英: Teapot)と呼ばれる。
急須の原型は中国で発明され、茶を飲む習慣がある文化圏、とりわけアジアでは古くから使用されている。日本では江戸後期に上方より江戸に伝わった。「きびしょ(急焼、急尾焼)」とも呼ばれた。
「急須」という呼び名は、青木正児によれば、「急須」は呉(蘇州地方)の方言で酒を温める器、「急焼・急尾焼[1]」は福建の方言で湯を沸かす器のことという[2]。
「急須・急焼」といった横手の湯沸しを茶を出す道具に転用したのは宝暦6年(1756年)、高芙蓉による[3]。
湯沸しに用いられるやかんは、漢字表記では「薬罐」となることからも分かるように、元来は薬湯を煎じ出すための器具である。
日本独自の横手急須は、本来中国で湯沸しとして用いられていたものを、茶をいれる道具に転用したものとされる[4]。
各喫茶文化圏で独自の発達も見られ、それぞれ補助的な道具が付随することがある。
たとえば日本では玉露などの低温の湯でいれる茶葉が発達したため「湯冷まし」を併用することも多い。
もともと、中国や日本では、粉末にした茶を茶碗で立てる抹茶が行われ、現在も日本の茶道として残っている。製茶法が抹茶から葉茶に代わっても鍋で直接茶を煮出して飲用していた。このほか、茶碗に直接茶葉と湯を入れる方法、またサモワールで茶を沸かす方法など、急須を用いない喫茶法も多い。
陶磁器製のものが最も普通である。特に中国で有名だったのが江蘇省宜興窯で作られた紫砂(紫泥)の茶壺である。これは無釉の焼締め陶器で[5]、ここで産する粘土が鉄分を多く含んでいたため、焼成後は朱茶色や黒紫色を呈し、朱泥、紫泥と呼ばれた。後世日本の萬古焼、常滑焼やイギリスのウェッジウッド窯でも同様のものが作られ、日本では急須の主流をこれらの朱泥、紫泥の製品が占めている。
日本では伊万里焼、九谷焼、瀬戸焼、薩摩焼などの磁器製も多い。また、備前焼や丹波焼などの焼締陶器や、美濃焼、萩焼など陶器製のものなど、非常に多くの種類が生産されている。この他鉄製、ステンレス製、アルミ製、ガラス製、石製のものなども見られる。
急須を含む茶を注ぐ道具は取っ手の位置や有無によって以下の四種類に分類される。このうち急須と呼べるものは横手の物のみである[6]。
茶葉の細かい日本茶用の急須では、茶袋(ティーバッグ)を用いない限り、急須の中に茶漉しが必要となる。江戸時代から昭和時代にかけては、陶磁器本体と一体構造のもの(陶磁器に穴をあけたもの)が主流であったが、深蒸し茶が登場すると、陶磁器の茶こしでは茶葉が出る、茶こしの目が詰まるなどの問題が多くなり、現在では、ステンレスの金網を本体にはめ込んだもの、ステンレスやポリプロピレンなどで出来たかご網の茶こしを急須に入れるものなど、様々なものが登場している。
茶こしがなく、蓋と本体の隙間から茶を注ぐものを特に絞り出しと呼び、宝瓶に多くみられる。
陶磁器本体と一体構造のものや、ステンレスの金網を本体にはめ込んだものは、茶葉の細かいくず等が溜まりやすく、洗浄に注意を要する。
急須から注ぐ際に、さらに茶こしで茶葉を取り除く場合もある。
急須の注ぎ口に付いているビニールの覆いは輸送時の破損を防ぐための「保護チューブ」であるため、開梱後は取り外す必要がある。チューブを付けたままだと、そこに汚れが溜まり雑菌が繁殖しやすいという問題もある。また、食品衛生法に適合していない物は、熱湯を注ぐと有害物質が溶け出すおそれがある。
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