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マイクロフォンまたはマイクロホン[1](Microphone )は、音を電気信号に変換する機器である。略称マイク(Mic )。
音(空気振動)をダイヤフラム等で受け止め、これを電気信号に変換する機器である。
箱型に多い、ダイヤフラムが筐体内に垂直に立った状態で音を受けるタイプを「サイドアドレス」、円筒の中にダイヤフラムが固定され、概して円筒の軸方向に指向性を持つタイプを「エンドアドレス」と呼ぶ。エンドアドレスマイクは特に「ペンシルマイク」と呼ばれる事もある。円筒形でありながらサイドアドレスタイプというマイクもAKG/TelefunkenのC12などが存在する。
ダイヤフラムの大きさによって、周波数特性・過渡特性や高域での指向特性が異なる[2]。サンケンのCU-41のように口径の異なる複数のダイヤフラムを持ったマイクもある。
ダイナミックマイク(動電型マイク)の一種で、永久磁石と可動コイルを組み合わせたマイク。可動線輪型。
電磁誘導(コイルを永久磁石のそばで振動させ、コイル内の磁束を変化させるとコイルに起電力が発生する)を利用したマイク。 コイルはプラスチックフィルムをドーム状に成形した振動板(ダイヤフラム)に固定されていて、そのダイヤフラムが音波を受けて振動し、磁界内でコイルが動くことにより音声信号を得る。
機構が単純で電池や電源も不要、丈夫で湿度にも強く、また大音量でも歪みにくい。しかし、コイルを含み振動系の質量が大きいため、高音域には応答しにくく、また歌手が手に持って歌うときに、マイクを握る時に発生する摩擦音や掌の筋肉が発する音などの機械的振動を拾いやすい。この欠点に対処する為にエレメントを防振材で支持するのが一般的であるが、機構的に振動を打ち消す工夫をしたものもある。一般的にはコンデンサマイクよりも特性は劣るが、使いやすく丈夫な点、特有の音質などを買われて、舞台などPAを必要とする場面や、マイクが多少乱暴に扱われるような場面で、ボーカル、ドラム、ギターアンプ等の集音に用いられる。
なお、ダイナミックスピーカーとは構造が同じである。ダイナミックスピーカーには入出力の可逆性があり、音声信号を加えればスピーカーとして動作し、コーン紙が音声により振動すればダイナミックマイクとして動作する。このような理由から、一部のインターホンやトランシーバー等では、部品数を減らすために、ダイナミックスピーカーをマイクとして兼用している。
上記ムービング・コイル型と並ぶ、ダイナミックマイクの一種。永久磁石と可動金属リボンを組み合わせたマイク。
ムービング・コイル型では磁界中にコイルを配置するが、リボン型では薄い金属膜(主としてアルミ箔、新しいものでは耐久性の高いカーボンナノチューブ[3]によるものもある)を細長くカットし、細かい折り目をつけたリボン状の導体を、磁極の間の細長いスリットに配置する。音声によって導体であるリボン振動体が磁界中で振動することによって、リボンの両端に起電力が生じ、音声信号が得られる。
リボンが折り目を付けてゆるく張られているため、人の息など「吹かれ」と呼ばれるノイズや振動に弱い反面、振動系が軽くて動きやすい為、低音域から高音域の音に良く反応し、広い周波数帯域を持つ。音質が柔らかい事から、音声や和楽器、弦楽器などの集音に好んで使われる。
リボンの両面が空間に開放されているタイプは、リボン面に垂直な両側の方向からの音に対して高い感度を示し、面に平行な方向からの音に対しては感度が著しく低い、いわゆる双指向性を示す。リボン振動体はその両側の音圧差により振動し、リボンの振動速度及び出力電圧は空気の粒子速度に比例する。空気の振動速度に比例する電圧が生ずることから、速度型マイクに分類される。ヴェロシティマイク(ベロシティマイク)と呼ばれる所以である(指向性の実現法参照)。
非常にデリケートな構造を持ち、扱いに注意が必要なことや、形が大きく重いこと、出力インピーダンスが低く音声から電流への変換効率も低いことから近年[いつ?]は殆ど生産されていなかったが、ここ数年[いつ?]はその良さ(繊細な音)が見直され、高価な製品から安価な製品まで比較的多種の製品が製造されるようになっている。
コンデンサの原理を応用したもの。
互いに平行な2枚の金属板を近接させるとコンデンサになる。その一方をダイヤフラム(蒸着などにより金属を貼り付けたプラスチックフィルム、または金属薄膜)に置き換えると、振動に応じて電極間の距離が変わるため、音声信号に比例した静電容量の変化が発生する。高抵抗を介して電極間に直流電圧をかけると、静電容量の変化をそれに比例した電圧の変化として取り出すことができる(コンデンサマイクロホンカプセル)。
カプセル自体の出力インピーダンスが高いため、コンデンサマイクの電気的な出力を効率的に取り出す為には、インピーダンスを変換するための前置増幅器(プリアンプ)が必要である。インピーダンス変換素子としては真空管、電界効果トランジスタ(FET)などの極めて高い入力インピーダンスをもったものが用いられ、これは一般にカプセルの近傍に置かれる。
ダイヤフラムと対向する金属板(背極、バックプレート)との間の距離は、一般的に数十μmで、電気容量は数10pF程度である。金属板には全面に渡って小さな穴を開けて空気の流通を妨げないようにし、ダイヤフラムが振動しやすくなっている。ダイヤフラムは加わる電圧によって金属板に吸着しないように、一定の張力をかけて保持されている。そのため、コンデンサマイクロホンの振動系は高域に共振周波数を持つ。中には共振周波数が可聴帯域にあるものもあり、マイクの個性の一つとされている[4]。
以上の「DCバイアス」方式でダイヤフラムに作用させていた直流電圧をMHz帯の低電圧高周波に置き換えたものが「HF(High Frequency)バイアス」、「RFバイアス(Radio Frequency)バイアス」と呼ばれる方式である[5]。振幅や周波数の変調を可聴周波数の音声に変換するので雑音を抑えつつ周波数帯域の上限を伸ばす事が出来る、DCバイアスでは絶縁を保てない多湿な環境や雨天でも性能が落ちないなど有利な点が多い。
ダイヤフラムは一般に数μmの厚みしかなく、非常に軽いので、応答が非常に速くクリアな音質に特徴がある。また、ダイヤフラムの振動を制御しやすい構造の為に、比較的簡単に平坦な周波数特性が得られる。一方で増幅回路を含む為、大音量で歪むことがある、温度や湿度の影響で雑音が発生しやすいなどのデリケートな部分もあるが、技術的に改良を加えてより過酷な条件での使用に耐える製品もある。大音量時の歪に対しては、マイク内部で信号を減衰させるスイッチ(Pad)をもったものもある。また指向性を変えられるものもある。
主な用途は音響測定や録音、あるいは各種機器へ組み込むなど小型化が求められる場合等である。音楽を高品位で収録する場合に使用されることが多い。スタジオなどではボーカル、弦楽器、金管楽器にしばしば利用される。逆に野外や舞台などPAでの使用では制限を受ける。
コンデンサマイクには、前述のようなダイヤフラムに外部から直流電圧をかける方式の他に、ダイヤフラム、背極またはバックチャンバにエレクトレット素子(半永久的に電荷を蓄える高分子化合物)を用いたエレクトレット方式がある。背極にエレクトレット素子をもつものは、ダイヤフラムの材質に制限がないので特性的に有利である(バックエレクトレット方式)。この方式を用いたスタジオ用マイクロホンも多数存在する。
また、汎用電子部品として、FETを用いたインピーダンス変換器を内蔵したエレクトレットコンデンサマイクモジュールが販売されており、各種製品に広く用いられている。この種のモジュールは外部から抵抗を介して直流電圧を印加するだけで、容易に音声信号を得ることができる。安価なヘッドセット、マイクなどはほとんどがこのタイプである。これを用いてマイクを自作する人もいる。
エレクトレット方式の場合は、高い直流電圧の供給が不要となるが、いずれにせよ増幅器を内蔵しているため、コンデンサマイクは一般に直流電源を必要とする。電源供給は、本体に乾電池を入れるものや、本体には電源回路を持たずに外部の専用電源を利用するもの、ミキサーやマイクプリアンプ等からマイクケーブルを通して供給する方式(Phantom(ファントム、ファンタム)電源方式)がある。ファントム電源は多くの場合48V、消費電流は最高14mA[6]で、規定の抵抗値を持ったブリーダ抵抗を介して平衡接続端子のHOT及びCOLDと、GNDの間に印加される。
回路の破損原因になるためダイナミックマイクにファントム電源を掛ける事は基本的に厳禁である。しかし21世紀に入るとファントム電源で駆動する小型の増幅器を搭載して低出力やインピーダンスの問題を解消した「アクティヴ・リボンマイク」、ファントム電源を掛けた信号経路に挿入し20dB以上の増幅を行う「インライン・プリアンプ」がそれぞれ複数機種登場し、コンデンサーマイク以外の方式でもファントム電源を要求する場合が出て来ている。
増幅器に真空管を用いたモデルは概ね外部電源に拠っており、付属の専用電源ユニットによって内蔵増幅器や真空管のヒーター電力、成極電圧に信号と別回路で高い電圧が供給される。DPA(旧B&K)の製品でも通常3極のキャノン端子に4極を用いて130V、7極を用いて190Vの成極電圧を、音声と別回路で供給する製品があった[7]。
民生用途、例えばパソコンに接続するマイクや民生向けポータブル録音機器、家庭用ビデオカメラ、アマチュア無線用などでは「プラグインパワー」や“接続ケーブル供給”方式が用いられている。数Vから十数Vであり、接続も不平衡である。
商用電源からの整流、バッテリーからの昇圧のいずれによっても、ファントム電源生成の回路自体が微弱な音声信号を汚すノイズ源になり易く、インピーダンス整合やノイズ対策が欠かせない。
炭素粉の接触抵抗の変化を利用したマイク。
板状の2枚の電極の間に炭素の粉を入れた構造になっている。一方を固定電極、もう一方を可動電極にして、電極間に直流電流を流しておくと、音声(空気振動)により可動電極が振動し、電極と炭素の粉との接触抵抗が変化する為、両端に音声に比例した電圧の変化、すなわち音声信号が得られる。コーン型のダイヤフラムの中央部に可動電極を設けて、音声から電気信号への変換効率を高めたものもある。 頑丈であり、感度は非常に高いが、炭素粉の接触圧-抵抗変化を利用している為に音が歪みやすい。
用途は広く、ダイナミックマイクが発明され普及するまで、レコードの録音や、アナウンサーや音楽の集音用として放送局でも使われていた。ダイナミックマイクが普及しても、有線・無線での会話の伝達用としては十分な音質であり、増幅することなく使用できることもあり、黒電話(600型電話機)や公衆電話、無線機の送話器に広く使われていた。
圧電効果を利用したマイク。
強誘電体などでできた圧電素子を電極で挟み、圧力をかけると圧電効果で電力が得られる。これを利用し、音声(空気振動)により電極を振動させ、電極から音声信号を得る。感度は非常に高いが出力電力は小さい。
古くからロッシェル塩(酒石酸カリウムナトリウム)が利用され、クリスタルマイクとも呼ばれた。原理的に全く同じ構造でスピーカやイヤホンも作れるが、それらと共用の圧電素子を利用したものでは近年は結晶ではなくセラミックを利用したものが多くセラミックマイクとも呼ばれる。ラペル形マイクは現在でもクリスタル使用している。高分子化合物を材料にした圧電素子もある。どれも圧電型マイクの特性として3~5kHzをピークとする周波数特性を描く。[8]この特性は無線機などのスピーチ用として明瞭度をあげる効果があり、主として帯域が限られている状況での通話時に好ましいとされる。
特有の周波数特性を生かし無線通信、コンクリートマイク等に使われている。
レーザー光によって空気の振動を捕らえる。
レーザー光を使用して音声振動による光の揺らぎを受光素子で検出して復調する。ドップラー効果による物や、干渉計による物など複数の形式が存在する。
従来型のマイクの使用が困難な環境下、状況下での使用が想定される。
固定型(据置型)の無線機に用いるマイクで、机の上に置いて使う。後述のPTTスイッチが付いている。無線通信に適した音質になるように、コンプレッサ、フィルタ回路等が付いていることがある。なお、「スタンドマイク」という呼称はしばしば、床置型マイクスタンドに設置されたマイクに対する俗称としても用いられる(卓上に置かれるのは「デスクマイク」とも呼ばれる)。
ステージボーカルには、耐久性があり、吹かれに強く、低域をロールアウトした特性を持つ単一指向性マイクが適する。シュアのSM58が有名である。
音声伝送に有線ではなく電磁波(電波、赤外線、可視光線)を用いるマイクである。
電波を用いるものは、電波法令ではラジオマイクと呼ばれる。
をそれぞれ参照のこと。
赤外線を用いるものは、業務用カラオケ装置、講義用・会議用がある。これは電波を使用すると繁華街やカラオケボックスあるいは学校のような利用者が密集している場所では混信しやすく、会議では傍受・盗聴のおそれがあるので、赤外線の障害物に強く、かつ壁を通過しない性質を利用したものである。
人体の頭部または頚部に直接接触させ、音声を拾う装置。空気中の音波を拾うわけではないから、むしろコンタクトピックアップの一種だが、便宜上マイクと呼ばれる。携帯電話、無線通信、ライダーやドライバーの交信など、騒音下でも小さな声を確実に捕らえる必要がある場合に用いる。
音源に直接取り付けて使用するマイク。主に管楽器のホーン部、弦楽器の音孔の縁に取り付けて使われる。演奏を阻害しないよう小型にする必要があるためエレクトレットコンデンサー型が多い。 また、これとは別にコンタクトピックアップと呼ばれるものもあるが、これは空気振動ではなく音源の振動を直接電気信号に変換するもので、マイクロフォンとは区別される。
水中に投入して使用することを前提に開発されたマイク。海中生物の生態調査等に利用される。
口元に極近いところで利用することを前提に指向特性、周波数特性、感度を調整し、目的の声以外の音を拾いにくくしたマイク。 小型マイクユニットを2個内蔵し逆相接続されているものがある。口元からの距離に対する2個のマイクユニット間距離により個々のマイクユニット出力に無視できない位相差が出やすく、逆相接続でも位相差分が出力として得られる。これに対し周囲雑音は発生源位置が2個のマイクユニット間の距離に比して遠く、同相で個々のマイクユニットに届くため逆相接続によって相殺されやすい。
バウンダリマイク(Boundary Microphone )、PZM(Pressure Zone Microphone )は、壁、床面等に貼るマイク。反射音の干渉が減り感度が高くなる。小型にする必要があるためエレクトレットコンデンサー型が多い。、バウンダリマイクは正方形や三角形の板の中央に無指向性のマイクが埋め込まれている構造である。対してPZMは板に少し隙間を設けてマイクを取り付けて一度板に反射した音声を突起部内下向きに設置したマイクが集音する仕組であり、狭い空間の奧にマイクユニットを置いて反射音の影響をなくそうという構造をしている。指向性は半球型となっている。 背丈が低いので、目立たないという利点もある。 壁面に埋め込むタイプもある。
野外や湿気の多い場所で使用することを前提に開発されたマイク。一部の製品は浅い深度での水中で使用可能な物もある。野外(特に荒天下)、プールサイド等での利用を前提にしている。
一本でステレオ収音が可能なマイク。メモリーカードを用いたハンディレコーダやビデオレコーダにおいて2つのエレメントを近接配置したステレオマイクを搭載する機種が2000年代半ば以降急増している。120度程度の角度を付けて配置された二つの単一指向性カプセルを持つタイプ、正面を向いた単一指向性カプセルとそれに直交する双指向性カプセルを用いたもの(Mid-Side, MS方式)がある。後者は正面向きカプセルの信号と横向きカプセルの信号を加算/減算することによりステレオ信号を得る。ノイマンのSM69、サンケンのCMS-2など有名機種が多い。マイク間に20cm以内の距離を持たせたラジオ・フランス(ORTF)方式は同じマイク2本とスタンドへの取り付けで対応される事が多い中、SCHOEPSのMSTC64Uがあり、Superlux S502というほぼ同じ外見を持つ製品も生産されている。ヘッドフォン聴取を前提としたバイノーラル収音用途に人間の頭部、あるいは胸部から上を模したバッフルの耳部分にマイクエレメントを埋め込んだ「ダミーヘッド・マイクロフォン」も一種のステレオマイクである。直径20cmの球体の両端にマイクエレメントを配したKFM6(SCHOEPS)、BS-3D(T.H.E.Audio)はダミーヘッド方式から派生したバウンダリーマイクと言えるだろう。さらに発展させた形式としてサラウンド収音用のマイクロフォンも開発されている。
スピーカーとマイクが一体型になっており、通信に用いられる。ヘッドセット (音響機器)を参照。ハンドセットはいわゆる“電話機の受話器”である。
無指向性 | 双指向性 | 単一指向性 | 鋭指向性 | 超指向性 |
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全指向性マイクは「吹かれ」に強く、近接効果が少ないのでENG等のインタビューマイクとして広く使われる。SHURE社のSM63、サンケン社のMS-5Cなどが有名である。音楽収音には全指向性マイクないし各種指向性マイクが用いられ、音響技術者や演奏者の意図、現場の音響状態、楽器の種類などさまざまな点から選択される。AKGのC414、DPAマイクロフォンの4006、ノイマンのU87、シュアのSM57、ソニーのC38等数多くの有名機種がある。野外集音やビデオカメラ用マイクには鋭指向性のガンマイクが使われることが多く、ゼンハイザーのMKH416が夙に有名である。
正面を0とした音源の角度をθラジアン、感度をrとすると、
と表される。ここから判る通り、カーディオイド特性は、全指向性と双指向性の二つの特性を加算したものである。
全指向性を実現するには、カプセルがある位置での音圧を検出すればよく、双指向性を実現するには、ダイヤフラム前後の圧力勾配ないしは媒体の速度を検出すればよい。カーディオイド特性を実現するためには、両者を兼ね備えればよく、カプセル後方に音響抵抗をもった通路を設け、ある程度ダイヤフラム後方の音圧もダイヤフラムに影響を与えるようにする。コンデンサマイクでは、背極の両面にダイヤフラムを用意し、両者の出力を電気的に合成する手法もとられる。
ハイパーカーディオイド等は、カーディオイド特性より双指向性成分を増やしたもので、側面からの音を拾いづらく、背面からの音は逆相になるので、ステージでのPAに有効である。
ガンマイクは全指向性と双指向性の加算ではなく、音響管による干渉を利用して非常に鋭い指向性を実現している。また、放物面の焦点に全指向性マイクを置くと、遠くの音源に対する鋭い指向性と高い感度が得られる(集音器)。アレイ・マイクロホンは多数のマイクを並べてその出力を電気的に足し合わせて指向性を得るものがある。単純に足し合わせても高い指向性が得られるが、それぞれの信号を演算によって遅延器を通した効果を与えると、指向性の方向を変えられる。パッシブ・アレイ・レーダーの原理と同じである。また、それぞれのマイクの信号をいったんコンピューターに記録して、計算によって音源の方向(や距離)を割り出す事が騒音探査で応用されている。
高温多湿を避けるのが基本である。廉価なものを除いて、マイクロフォンには専用のマイクケースが付属しているので、それを利用することが多い。特に、コンデンサ型は湿気により音質が変化するので保管には注意する。デシケータと呼ばれる除湿容器を用いることもある。業務用などで多量のマイクを保有する場合にはマイク用に設計されたキャリングケースを用いるとよい。
音声(後述)、または楽器演奏の音を集音し、スピーカーやヘッドフォンから出力される音を確認するのが通常である。通常、「マイクの調整」と呼ばれるがごく一部を除いてマイク自身の特性を変えてしまうことはなく、伝送系の途中に挿入されたイコライザなどで周波数特性を調整する場合が殆どである。
ドラムセットなど、狭い空間に多くのマイクを設置してミキシング・コンソールとの接続がわかりにくい場合などは、ウインドスクリーンを爪でガリガリと引っ掻いて確認するガリ送りと呼ばれる方法を用いる。
マイクテストで使われる音声の決まり文句として「本日は晴天なり」がしばしば用いられる(無線通信ではこの語を使うべき事が総務省令無線局運用規則で定められている)。これは英語の"It's a fine day."を直訳したものとされている。英語の原文だと音声の周波数成分が満遍なく含まれていると考えられるために用いられたという謂れがあるようだが、これを日本語に置き換えると当初の意味は失われる。
教育を受けた音響オペレータがマイクのテストならびに調整を行う際は、目的の周波数成分に応じた声を発して、それを聞いて作業する。よく使われる文言は下記の通りであるが、この通りにしなくてはならないという決まりはなく、これ以外の文言または普通の会話や歌声で調整するオペレータも珍しくない。
マイクテストの文言の例
「マイクテスト」(そのまま)、「テスト」、「チッチッチッ」(舌打ち。主に高域)、「チェック、チェック」「ハー、ハー」「ワン、ツー、スリー、フォー」(これは英語圏の人にも多い。)、「ハロー」「ヘイ、ヘイ」(以上、主に中高域)、「ロウ、ロウ」(主に低域)「ハッ、ハッ」。
なお、音響機器の取り扱いを知らない人がしばしば行う「テスト」として、マイクロフォンを叩いたり、息を吹きかけたりすることがあるが、これらは振動板に衝撃を与えるとともに、アンプで増幅された衝撃音がスピーカーを破損させることがあるので、行ってはならない。
上記の吹き・叩きの他、以下のような取扱いは避けたほうが良い
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