Licensed under Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 (Don-vip).
この記事は更新が必要とされています。 この記事には古い情報が掲載されています。編集の際に新しい情報を記事に反映させてください。反映後、このタグは除去してください。(2017年3月) |
この項目では、ヨーロッパの航空機メーカーについて説明しています。その他のエアバスについては「エアバス (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
種類 | 株式会社 |
---|---|
略称 | エアバス |
本社所在地 |
フランス トゥールーズ |
設立 |
1970 (エアバス・インダストリー G.I.E.) 2001 (エアバス S.A.S.) |
業種 | 輸送用機器 |
事業内容 | 民間航空機の製造 |
代表者 | トム・エンダース (Thomas Enders):社長兼CEO |
売上高 | 390億米ドル |
従業員数 | 約5万7,000人 |
外部リンク |
http://www.airbus.com (英語) http://www.airbusjapan.com (日本語) |
テンプレートを表示 |
エアバス(仏: Airbus S.A.S. フランス語: [ɛʁbys] ( 音声ファイル) ドイツ語発音: [ˈɛːɐbʊs] 英語発音: [ˈɛərbʌs] スペイン語発音: [ˈerβus])は、ヨーロッパ(欧州連合の内の4カ国)の航空宇宙機器開発製造会社。設立当初の事業体の名称はエアバス・インダストリー G.I.E.(仏: G.I.E. Airbus industrie)であったが、2001年に法人化されて現社名に変更された。民間航空機メーカーとしてのエアバスは、2000年以降親会社の航空防衛企業であるエアバス・グループの子会社として位置づけられていたが、2017年1月に両社が合併、存続会社名をエアバスとすることで、この関係を解消した[1]。本社はフランス・トゥールーズ。
2017年3月1日、経済産業省はエアバスと日本企業の連携を強化する覚書をフランス政府と締結した [2]。
1960年代から続く、アメリカ企業の世界的な旅客機の独占に対してヨーロッパ諸国が危機感を抱く中、1970年12月にフランスのアエロスパシアルと西ドイツDASAが共同出資し設立された。旅客航空機の製造販売を主な事業内容としており、近年はアメリカのボーイングと市場を二分する巨大航空機メーカーとして、激しい市場競争を繰り広げている。
なおエアバスとは、広胴型機の隆盛の初期「バスのように気軽に利用できる飛行機の時代をいう」航空用語を、そのまま社名にしたものである。また中華人民共和国では「空中客車」(略して「空客」とも)と表記する。一方で同じ中国語圏の香港や台湾などでは「バス」の音の当て字で「空中巴士」と表記されることが多い。
ジェット旅客機時代になり開発費の高騰などから、ヨーロッパの既存の各社が単独では、アメリカ合衆国の航空機メーカーであるボーイングやマクドネル・ダグラス(現ボーイング)、ロッキード(現ロッキード・マーチン)への対抗が難しくなったことから、フランスのアエロスパシアル(現エアバス・グループ)と西ドイツDASA(現エアバス・グループ)が共同出資し、1970年12月に設立され、中型機の製作に取り掛かった。これは後にエアバスA300となる機体で、イギリスのBAeとスペインのCASA(現エアバス・グループ)も参加して4カ国体制となった。
最初に完成したA300は、ノウハウ不足などから航続距離不足や信頼性不足などを指摘され、売上は苦戦。エアバスは膨大な赤字を抱えたが、フランスと西ドイツ政府の全面的な援助によって乗り切った。
しかし、それをきっかけに技術力を大幅に高めたA320で大成功を収める。以後、急速に売上を伸ばしマクドネル・ダグラスを追い抜きボーイングに迫るまでになった。当時、新型機の開発が迷走していたボーイングはエアバスの躍進に脅威を感じると大規模な非難キャンペーンを開始。特にエアバスがフランスとドイツの政府に手厚く保護されていると指弾した。それに対してエアバスはボーイングもアメリカ合衆国政府と一体となっていることなどからあからさまな政治的売り込みを批判し、双方が裁判に持ち込むなど泥仕合となった。ボーイングはアメリカ合衆国政府と、EADSは欧州連合と密接に結びついているため、両者の争いは極めて政治的な色合いの強いものだった。2001年にエアバスが完全に株式会社化し、組織体制の非難合戦は収束した。その後、中華人民共和国の国有企業である中国航空工業集団公司との合弁[3]で天津にEU域外では初の生産拠点を開設したのに続き[4]、2015年には米国初の製造拠点も完成した[5]。
アメリカの大型ジェット旅客機製造メーカーが合併、統廃合の結果、ボーイング1社のみとなったため(ロッキードは1984年に旅客機から撤退、マクドネル・ダグラスは1997年7月31日にボーイングへ吸収された)、現在、旧西側諸国で大型旅客機を製造しているのはボーイング、エアバスの二大メーカーだけであり、抜きつ抜かれつの熾烈な競争を繰り広げている。旧マクドネル・ダグラス機材ユーザーの多くがエアバスに鞍替えしたことなどから1999年には販売受注数で初めてボーイングに勝利し、ボーイングが新型機開発の迷走を尻目に着実に販売数を伸ばした。しかし2005年に体勢を立て直したボーイングの787と747-8の開発を発表、さらに超大型機であるA380の生産の遅れが発表されると形勢は逆転した。市場シェアは2004年度54%、2005年度45%と減速しているが、2007年の売り上げでは再び逆転して首位に立った。
2011 | 2010 | 2009 | 2008 | 2007 | 2006 | 2005 | 2004 | 2003 | 2002 | 2001 | 2000 | 1999 | 1998 | 1997 | 1996 | 1995 | 1994 | 1993 | 1992 | 1991 | 1990 | 1989 | |
エアバス | 640 | 574 | 271 | 777 | 1341 | 824 | 1111 | 370 | 284 | 300 | 375 | 520 | 476 | 556 | 460 | 326 | 106 | 125 | 38 | 136 | 101 | 404 | 421 |
ボーイング | 138 | 530 | 142 | 662 | 1413 | 1044 | 1002 | 272 | 239 | 251 | 314 | 588 | 355 | 606 | 543 | 708 | 441 | 125 | 236 | 266 | 273 | 533 | 716 |
Sources 2008: Airbus orders until April 30: http://www.airbus.com/en/corporate/orders_and_deliveries/ Boeing orders until April 29. http://active.boeing.com/commercial/orders/index.cfm |
2011 | 2010 | 2009 | 2008 | 2007 | 2006 | 2005 | 2004 | 2003 | 2002 | 2001 | 2000 | 1999 | 1998 | 1997 | 1996 | 1995 | 1994 | 1993 | 1992 | 1991 | 1990 | 1989 | |
エアバス | 258 | 510 | 498 | 483 | 453 | 434 | 378 | 320 | 305 | 303 | 325 | 311 | 294 | 229 | 182 | 126 | 124 | 123 | 138 | 157 | 163 | 95 | 105 |
ボーイング | 222 | 462 | 481 | 375 | 441 | 398 | 290 | 285 | 281 | 381 | 527 | 491 | 620 | 563 | 375 | 271 | 256 | 312 | 409 | 572 | 606 | 527 | 402 |
Sources 2008: Airbus deliveries until April 30: http://www.airbus.com/en/corporate/orders_and_deliveries/ Boeing deliveries until April 30. http://active.boeing.com/commercial/orders/index.cfm?content=displaystandardreport.cfm&optReportType=CurYrDelv |
ボーイングと比べ新興の会社であるため、機体に先進的な設計思想や技術を取り入れ斬新な機体設計が行われている。
エアバスA310にはフライ・バイ・ワイヤや電子式集中化航空機モニターなどの先進的なシステムを導入、エアバスA320に民間旅客機初となるデジタルフライ・バイ・ワイヤやグラスコックピット、サイドスティックによる機体操縦を導入したほか、機体に新素材を導入するなど次々と新機軸を採用した。その結果、機体の扱いやすさや燃費性能を向上させる事に成功し、これが1980年代後半からの同社の躍進に繋がった。
この動きを見たライバルのボーイングも自社機のハイテク化に取り組み始め、ボーイング777以降の機体でフライ・バイ・ワイヤを採用するなど、機体の設計思想にも影響を与えた。しかし両者の設計思想は対照的で、エアバスがフライ・バイ・ワイヤの採用により操縦デバイスをサイドスティック化し、コンピュータ制御によるメリットを全面的に取り入れた操縦システムを搭載したテクノロジー・ドリヴンを採用したのに対し、ボーイングがフライ・バイ・ワイヤ導入後も操縦桿にかつてのケーブル(索)やロッドによる機械的リンクを介して油圧アクチュエータを駆動させていた「重み」を擬似的に再現したマーケット・ドリヴンを採用しており、機械重視のエアバスと人間重視のボーイングといった色分けになっている。
エアバスがテクノロジー・ドリヴン路線を取った背景には、航空機の安全設計が向上した1980年代後半以降、飛行機事故の発生原因が機体の設計よりパイロットのミスや整備不良が原因となる事が多くなったからである。エアバスではこの実情に鑑み、パイロットのミスと思われる場合には手動操縦より自動操縦システムの設定が優先される仕様を取り入れていた。しかし、皮肉にもこの仕様が裏目に出る形で、1988年にエールフランス296便事故(エアバスA320)が、1994年にはアエロフロート航空593便墜落事故(エアバスA310[6])と中華航空140便墜落事故(A300-600R)が発生した。この結果、翌1995年の受注数が急激に落ち込む事になり、現在ではボーイングでも採用されている、操縦桿を操作すると自動操縦が解除される仕様に改修されている。
またエアバスは部品の供給や機体の一部制作、共同開発など、各国の航空機を手がけたい企業と提携関係をもつことでその国への利益の還元で販路を確保する戦略を打ち出し成功を収めている。この戦略は後にボーイングも真似ることとなり、新型機の開発に当たっては日本企業への積極的なアプローチなども行われている。
エアバス機には基本的に貨物室の火災警報装置が取り付けられていないが、これはフランスの航空法で義務付けられていないためである。しかし、火災警報装置の取り付けが義務化されているアメリカなどの国で運航している機体には、全て後付けされている。
エアバスの製品群は、1970年代初期に運航が開始された世界初の2列通路の双発航空機「エアバスA300」から始まった。A300の短胴型はエアバスA310として知られる。西ドイツとフランス政府の全面的な支援を受けたエアバスは、革新的なフライ・バイ・ワイヤ制御システムを備えたエアバスA320の計画を立ち上げた。1980年代後半に運航が開始されたA320は大手航空会社のみならず格安航空会社でも多数が導入され、商業的に大成功をおさめる。その後もビジネスジェット機需要の高まりを受け、エアバスA318及びエアバスA319等、短胴派生型(エアバス・コーポレイト・ジェット)を開発。延長型はエアバスA321として知られている。これらの新型機によってボーイング737型機の後期モデル(737-300・400・500の第2世代および737-600・700・800・900の第3世代=737NGシリーズ)は、激しい競争を強いられるようになった。
長距離路線向け製品であり、1990年代初期に運航が開始された双発のエアバスA330及びエアバスA340はウィングレットによって強化された有能な翼を備えている。A340-500はボーイング777-200LR型機(航続距離17,446 km)に次いで商業ジェット機で2番目に長距離である、16,100 km(8,670マイル)の航続距離を持っている。
エアバスA380は世界最大の民間旅客機である。特徴は総二階建てある。ボーイング747に対抗するために開発された。しかし380が殆ど納入数では終わりに近い2017年には改良型の380plus型が発表され、航続距離が300nm伸び、最大積載も3トン増えてる一方で、ボーイング側では変更や改造を主眼とせず、荷物専門の仕様にしての売り込みをして旅客では380には一向に追いつかない状態となった。航空機市場は320と737、又は350と787との市場となり今後は僅な注文で凌ぎを削る状態となった。 350型の1000タイプはボーイング777より軽く、且つ客席数も僅に多い事から、777のXタイプを現在ボーイングでは開発中である、エアバスより一歩遅れた開発力をボーイングでは今後挽回できるかが課題。
航空機 | 特徴 | 座席数 | 開発開始 | 初飛行 | 初引き渡し | 生産終了 |
---|---|---|---|---|---|---|
A300 | エンジン2基、2列通路 | 250-361 | 1969年5月 | 1972年10月 | 1974年5月 | 2007年7月 |
A310 | エンジン2基、2列通路、A300型機を6.96 m短胴化 | 200-280 | 1978年7月 | 1982年4月 | 1985年12月 | 2007年7月 |
A318 | エンジン2基、1列通路、A320型機を6.17 m短胴化 | 107 | 1999年4月 | 2002年1月 | 2003年10月 | |
A319 | エンジン2基、1列通路、A320型機を3.77 m短胴化 | 124 | 1993年6月 | 1995年1月 | 1996年4月 | |
A320 | エンジン2基、1列通路 | 150 | 1984年3月 | 1987年2月 | 1988年3月 | |
A321 | エンジン2基、1列通路、A320型機を6.94 m 延長 | 185 | 1989年11月 | 1993年3月 | 1994年1月 | |
A330 | エンジン2基、2列通路 | 253-295 | 1987年6月 | 1992年11月 | 1993年12月 | |
A340 | エンジン4基、2列通路 | 261-380 | 1987年6月 | 1991年10月 | 1993年1月 | 2011年11月 |
A350 | エンジン2基、2列通路 | 270-412 | 2004年12月 | 2013年6月14日 | 2014年12月 | |
A380 | エンジン4基、2列通路(1,2階とも)、総2階建 | 555-853 | 2000年12月 | 2005年4月27日 | 2007年10月 |
エアバスは2006年をもってA300、A310の受注受付を中止して2007年7月に生産停止することを発表し、30年間に渡って生産されたA300とA310の従業員を他のラインへ配置転換する見込みである。もっともA310は1998年以降生産が止まっている。
2016年1月現在、ボーイング787とボーイング777に対抗する大型ジェット旅客機A350も就航している。初期の設計ではA330をベースとしていたが、一部の航空会社から不満の声が出ており、機体の再設計を求める声が出てきた。そのため、A330とは別の新設計としたA350XWBが開発されたが、A330の改良型A330neoも開発が進行している。
1979年に東亜国内航空(TDA)からA300を受注し、1987年には全日空グループ(ANA)からA320ceoを受注した。1995年には同社からA321ceoも受注した。さらに2001年になると日本での販売を促すためにエアバス・ジャパンが設立された。
日本のエアラインにおいて、JASを吸収した日本航空グループ(JAL)やANAなど大手が保有するジェット旅客機は次第にボーイング製の旅客機(737・747・767・777・787) に置き換えられており、ANAが保有するA320ceoの退役が2008年から開始し、A321ceoの退役は2006年から開始し2008年には一旦全て退役した。JALが保有するA300が経営破綻により2011年5月末に全機退役するなどエアバス製の旅客機は少しずつ整理されつつあった。一時はエアバス製の旅客機が日本の航空会社から完全に姿を消すのではとも思われたが、
なお、日本ではかつてニチメン(現:双日)がエアバスの総代理店を手がけていたことがあった。ちなみに双日のもうひとつの前身、日商岩井がボーイングの代理店である。
国 | 従業員 | 部品業者の従業員 |
---|---|---|
フランス | 19,358人 | to be added |
ドイツ | 18,423人 | to be added |
イギリス | 8,688人 | to be added |
スペイン | 2,726人 | to be added |
アメリカ合衆国 | 405人+ | 120,000人 |
中華人民共和国 | 100人+ | to be added |
総計 | 49,700人+ |
エアバスの拠点 ¹ | 国 | 従業員数 |
トゥールーズ (トゥールーズ, コロミエ, ブラニャック) |
フランス | 16,992 |
ハンブルク (en:Finkenwerder, シュターデ, en:Buxtehude) |
ドイツ | 13,420 |
Broughton, フリントシャー, ウェールズ | イギリス | 5,031 |
ブリストル (フィルトン), イングランド | イギリス | 4,642 |
ブレーメン | ドイツ | 3,330 |
マドリッド (ヘタフェ, Illescas) | スペイン | 2,484 |
サン=ナゼール | フランス | 2,387 |
en:Nordenham | ドイツ | 2,086 |
ナント | フランス | 1,996 |
Albert (en:Méaulte) | フランス | 1,288 |
en:Varel | ドイツ | 1,191 |
en:Laupheim | ドイツ | 1,116 |
カディス (プエルト・レアル) | スペイン | 448 |
ワシントンD.C. (Herndon, Ashburn) | USA | 422 |
北京 | 中国 | 150 |
ウィチタ | USA | ? |
モービル (アラバマ州) | USA | ? |
マイアミ (マイアミ スプリングス) | USA | ? |
セビリア | スペイン | ? |
モスクワ | ロシア | ? |
天津市 | 中国 | 計画 |
総計 | 56,966+ |
This article uses material from the Wikipedia article "エアバス", which is released under the Creative Commons Attribution-Share-Alike License 3.0. There is a list of all authors in Wikipedia
3D,CAD,Model,Libary,Railway, Train, Ship, Marine, Submarine, Automotive, Locomotive, Bike, Car, Formula 1, Space, Aircraft, Aerospace, Satelite, Automobile, Yacht