この項目では、水泳などを行う施設・空間について説明しています。その他の用法については「プール (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
プール(英: swimming pool)は、レクリエーションあるいは水泳の習得・練習や競技(競泳、水球、シンクロナイズドスイミング、飛び込みなど)、水中ウォーキングのような水泳以外の運動[1] のために、人為的に水を溜め込んである空間または施設。英語のpoolは単に「水たまり」を指し、水泳用のプールはswimming poolと呼ぶ。日本語におけるプールの数え方は「面」を使う。
プールは、主に学校、公営の体育施設・保養施設、民間のスイミングクラブ・フィットネスクラブ、レジャー施設、高級ホテルや一部の豪華客船に備えられている。かつてはデラックスなマンションの屋内または屋外に備えられることもあったが、日本では環境基準が厳しくなった1990年代以降、閉鎖されたり、駐車場に転用されたりして激減している。屋外に設置され夏だけ使用されるプールと、屋内に設けられていて室温や水温が調節・管理された通年使用可能なタイプ、またそのうち通常より水温が高めにした温水プールもある。防火用水や非常用水の水源として利用される場合は、使用時期以外にも貯水・管理されているが、水質管理までは行われていない施設が大半である。
屋外のプールは昼間だけ使用されることが多いが、近年、ホテルやテーマパークでは、リゾート地のような非日常感を楽しんでもらうため夜も営業する「ナイトプール」も見られる[2]。
このほか、空気を入れて膨らませる子供1人~数人分の遊具が「ビニールプール」と呼ばれる。また清流を一時的に堰き止めた水遊び場を「天然プール」と称している地域もある[3]。
初期のオリンピックにおいて水泳競技は河川や海で実施されていた[4]。近代オリンピック第1回のアテネオリンピック(1896年)の水泳競技はゼア湾で[4]、第2回のパリオリンピック(1900年)の水泳競技はセーヌ川の河畔で[4]、第3回のセントルイスオリンピック(1904年)の水泳競技は人工湖で開催された[4]。
オリンピックの水泳競技で初めてプールが使用されたのは、1908年のロンドンオリンピックで、陸上競技場のフィールド部分に全長100mのプールが設けられた[4]。しかし、初期のオリンピックプールにはコースロープがなく、1920年のアントワープオリンピックで進路妨害の問題が発生したことから、1924年のパリオリンピックで初めてコースロープが設置された[4]。
なお、2008年の北京オリンピックからプール外での水泳競技であるオープンウォータースイミングが正式採用されている[4]。
日本では、会津藩校の日新館に設けられた水練場あるいは水練水馬池が、最古のプールとされている。当時の藩校の中では、日新館と長州藩校の明倫館の2校を除いて施設が設けられていなかったとも言われている。また日本最古の温水プールは1917年に東京YMCAに開設された。
競技用のものは国際水泳連盟によって種目別に細かく規格が定められており、オリンピックなどの国際大会で使用するプールはこの規格を達成していなければならない[5][6]。
一般向けのプールは様々なものがあり、レジャー施設用のプールの中には、流水プール、子供用の水深の浅いプール等があり、附帯設備として滑り台(ウォータースライダー)などが併設されるものもある。
通常のプールは不特定多数の人間が利用するため、衛生上、水質管理が必要となる。一般的には殺菌・消毒のためにプールと付帯施設の足洗い場・腰洗い槽に塩素系消毒剤が加えられている。消毒剤は次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、塩素化イソシアヌール酸のいずれかであり、遊離残留塩素は0.4ppm~1.0ppmを保持しなくてはならない。水道水基準(0.1ppm~1.0ppm)に比較してわずかに高めだが、有機物(人体や汚れ)と接したり太陽光の紫外線を浴びたりすることなどによって残留塩素濃度が低下するため、定期的な濃度維持が必要である。加える方法はプール・足洗い場・腰洗い槽に消毒剤を直接投入する方法と塩素供給機器に消毒剤を入れて水に溶かす方法がある[12]。
日本では厚生労働省が「遊泳用プールの衛生基準について」(平成19年5月28日健衛発第0528003号)を定めている[13][14]。この基準では、水素イオン濃度・濁度・過マンガン酸カリウム消費量・遊離残留塩素・大腸菌、一般細菌、総トリハロメタンの7項目について衛生基準が示されており、また循環ろ過方式等の浄化設備を備えることも必要とされる[13][14]。
また、いわゆる1条校のプールにあっては文部科学省が「学校環境衛生基準」を定めている[15]。なお、学校における水泳プールは学校保健法(昭和33年法律第56号)に基づく衛生管理が実施されているため「遊泳用プールの衛生基準について」(平成19年5月28日健衛発第0528003号)の適用対象外となっている[13]。
プールはプール熱などの感染症の媒介となりやすいため、病気に罹患している場合や回復した直後などはプールへの入場が禁止されている。
目が赤くなる原因がプール内の尿と塩素の化合物が原因であることがわかった。[16]
アメリカ合衆国では、感染源がプールや温浴施設等と判明している集団感染のうち、58%はクリプトスポリジウム症であったことが報告されている。アメリカ疾病対策センターの専門家は、消毒剤に対する耐性を持つ菌等の存在を踏まえてプールの水を飲まないことを勧めている[17]。
大量の水を湛えた施設であるため、前述の排水口近くでなくても溺れたり、飛び込み時に頭などを打ったり[18] する事故が度々発生している。このため学校の水泳授業や部活動では教員らが安全に注意を払うほか、ライフガードや監視員を配置しているプールもある。また未就学児童や小学校低学年では声も物音も立てずに沈んで溺れる事もあるため注意が必要である。
早稲田小学校事件・広島地判平成9(1997)年3月31日 判タ958号
消費者安全法第23条第1項に基づく事故等原因調査報告書 平成23年7月1日に神奈川県内の幼稚園で発生したプール事故 消費者安全調査委員会 平成26年6月20日
2017年8月24日午後3時半、私立認可保育所「めだか保育園」(さいたま市)において、職員がプール用具の片付けの最中(約3分)目を離していた所、女児園児(当時4歳)がうつ伏せで浮いているのを発見、翌日に死亡した[19]。さいたま県警は業務上過失致死容疑で園長と保育士の2人を書類送検。
6月から夏季にかけて広まる咽頭結膜熱(プール熱)、皮膚接触で感染する水疱性膿痂疹(とびひ)、伝染性軟属腫(水いぼ)、など、遊泳を控える事で感染を防ぐ事が可能。
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