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Bf 109
Bf 109(Messerschmitt Bf 109)は、第二次世界大戦におけるナチスドイツ空軍の主力戦闘機。世界で初めて一撃離脱戦法を前提に開発されたとされ、機体重量に比し小さく薄い主翼を持ち、モーターカノンや主脚のエンジンマウントなど、特徴のある設計となっている。本機の生産数は30000機を超え、歴史上もっとも生産された戦闘機であると同時にエーリヒ・ハルトマンやゲルハルト・バルクホルンといったエースパイロットを輩出させた。
1934年、バイエルン航空機製造(Die Bayerische Flugzeugwerke、BFW)で開発が開始され、翌1935年、生産開始。設計主任は、かつてBf 108を設計したロベルト・ルッサー技師。後にバイエルン航空機製造はメッサーシュミット社となった。
単葉、全金属・応力外皮式、密閉式の風防、引込脚など、第二次世界大戦の単座戦闘機で主流となる形態を世界に先駆けて備えていた。
He 112との激しい競争試作の末に採用され、スペイン内戦のコンドル部隊に3機が試験的に投入されて以降、改良を重ねて第二次世界大戦終了までドイツ空軍の実質的な主力戦闘機として使われた。
加速力に優れ、スピード、機動力、上昇力も悪くはなかった。軽量な機体でもあったことから、ギュンター・ラルやハンス・ヨアヒム・マルセイユのように旋回性能を生かす者もいた。開発時は陸戦の直援機としての性格が強かったため航続力は劣る。バトル・オブ・ブリテンでは、スピード重視だったこともあり機動力に優れるスピットファイアに追い散らされ、爆撃機を狙うハリケーンには機動力で劣っていたために護衛戦闘機の任務は果たせなかった[1]。総生産機数は工場での修理再生分を含めて約30,500機で、戦闘機史上最多である[2]。
回数は少なかったが、アメリカ海軍やイギリス海軍のグラマンF4F ワイルドキャットやF6F ヘルキャット、さらに地中海でP-39[3]と戦った。
ドイツを空爆する爆撃機の護衛として飛来したP-51のB/C型は、遠目にはBf 109と類似しており友軍機から誤射される事件が度々起きていたため、D型でキャノピーと塗装を変更し解決した。
Me 109とも呼ばれ、大戦中の公式文書でもMe 109となっているが、戦後、英国の航空機研究家から「バイエルン社時代の設計なのでBfにすべき」との意見が出され、Bfと表記されることが多くなったという[4]。また、当時のパイロットの一人への戦後のインタビューでは、戦時中はBf 109と呼んでいたと回答されている。大戦中のラジオ放送ではMe 109と呼称され、部隊側での表記や呼称もMe 109とBf 109が混在しており、実際はいずれの表記であれ、間違いではない。
E型の量産に入ると時を同じくしてメッサーシュミットがバイエルン社の実権を握ったのでE型以降Bfの名称がMeに改められた。 — 潮書房「丸」『季刊 ドイツの軍用機』 166ページ
パイロットには操縦席が狭いこと、初期の横開き式キャノピーが緊急脱出しにくく後方視界が悪いなど細かい不満はあったが、飛行機としての能力は概ね好評であった。
Bf 109が標準的に装備したDB 601・DB 605エンジンは、高圧縮低回転型で燃料事情の良くないドイツの国情に配慮する一方、燃料直接噴射ポンプ(現在の燃料噴射装置)の搭載、倒立V型で発動機中央に機銃が通せる構造や、ローラーベアリングの多用、側面に装備された流体継手を用いることで実際は2速式だが通常の過給機と異なり1速と2速の間が流体トルクコンバータにより無段階に変速できる過給機など、非常に高度で複雑な機構を多数採用している。これは製造の困難さや重量の増大も招いたが、高度な工作技術で克服し、大戦前半にはライバル機に対する優位を保った。特にバトル・オブ・ブリテンの空中戦において、気化器を装備してマイナスGがかかるとガソリン供給が一瞬途切れる英国戦闘機のエンジンに対して、そのような欠点がない燃料直接噴射ポンプは効果絶大だった。
この設計は出力のさらなる増強が難しく、大戦後半に連合国機のエンジン出力が増加すると遅れをとるようになった。また複雑な機構は生産性・整備性の悪化を招き、熟練工やベテラン整備士が不足した大戦末期には稼働率の低下を招いた。
機体重量が大戦中の機体の中では軽い部類であって、軽く薄いテーパーの主翼を採用している。翼内部に燃料タンクはない。単桁応力外皮構造を採用してほぼ最大翼厚位置に桁を集中させて置くことで構造効率が高くなっている。[5]簡単な構造のおかげで主翼は容易に取り外しができ、輸送の際に便利であった。翼端の前縁には翼端失速を防止するための自動スラットが設けられており、迎え角によって発生する前縁下部に当たる圧力により開かれる。フラップはコックピット座席の左にあるハンドルで角度を調節できる[6]。
Bf109E型までは翼幅方向に長い単純フラップが主翼付け根から小さなエルロンまで続き、主翼の翼幅は9.87mになっていた。E型からこれまで機首下面にあった水冷用のラジエーターが二つに分かれて左右主翼下面付け根のやや後方にそれぞれ置かれた。モーターカノンの本格的な実装が見送られる中で想定されてはいなかったが何とか翼内武装を施した。
F型以降の主翼は誘導抗力などの空気抵抗を減少するため翼端が丸くなったが、代わりに全体の翼幅は9.924mに延長された。より幅が広くより平たいラジエーターが採用された。その前部下面には空気が流れ入る量を調節するリップが増設された。境界層の空気を吸い込まないようにデザインされた。ラジエーターの後部についてるクーラントフラップは主翼の揚力を増加させるフラップの役割も兼ねるようになったために、より複雑な仕組みになった。E型までラジエーター後部下面に一枚だけあった小さなラジエーターフラップは大型化されたクーラントフラップとなり、弦方向の長さを主翼後縁まで伸ばされて翼の上下面の二枚にでその間からラジエーターを通った空気が流出するようになった。二枚のクーラントフラップは温度に応じて開き具合を自動的に調節するが、速度と機動性を求める場合は手動で閉じることができる。また、クーラントフラップは大型化されているのでフラップとしても使用され、二枚のうち下の一枚だけ下せばスプリットフラップに、二枚一緒におろせば単純フラップになる。クーラントフラップはエルロンとの間にある単純フラップと連動させられる。[7]このように凝った主翼の構造なので火力増強には空力特性を悪化させるガンポッドを搭載するしかなかった。G型後期仕様から車輪などの降着装置の変更もあって主翼が部分的に膨らむこぶをつけねばならなくなったので空気抵抗を増大させてしまった。
垂直尾翼は翼端そのものが方向舵と一体化してあったものの、後期型では変更された。水平尾翼の下面から胴体まで繋いであった支柱はF型以降なくされ、空気抵抗が減少した。
Bf 109の主脚は胴体(正確にはエンジンマウント)に付いていて、翼端に向かって引き込まれるようになっている。この方式は、一撃離脱戦法(ダイブ アンド ズーム)を採用するためダイブ性能とスピードを第一に要求されたため主翼を薄く設計する必要があったためである。また、強度と重量を必要とする引き込み装置をエンジンマウントと一体に作れるため、主翼構造を簡素化、軽量化でき、本機の主翼は簡単な単桁構造で片翼ずつ取り外し交換ができた。
その反面、主脚の間隔が狭いので離着陸時の地上滑走中にグラウンドループを起こしやすい。さらに、少しでも接地間隔を広げるために主脚を斜めに設置したことによる強度不足、機首上がりのきつい地上姿勢による前方視界の不良、小型の機体に強力なエンジンを搭載したことによる強いジャイロモーメント、狭い翼面のため低くできない離着陸スピードなどにより本機の離着陸を難しくしている。特に主脚の弱さは本機が性能限界を来たす一要因ともなった。戦時中、量産が行われている工場では並行して前線から送り返された脚破損機の修理も大量に行われていたといい、また、戦争中期以降パイロットに未熟練者が増えるにつれ、この問題は無視できないレベルになった。
しかしK型になり主脚の取付金具の補強、尾脚を長くしたことで静止時の角度が14.5度から13度に減少、この2点の改修によってグラウンドループ、それによる主脚折れの事故が劇的に減少した。また、主脚に車輪カバーの追加、尾脚を引き込み式にしカバーを付けて空気抵抗が減少し最大速度向上にもなった。
同機の大きな欠点の一つと言われているのが航続距離の短さである。これは開発時期の1930年代に台頭していたドゥーエの空中艦隊論や当時流行した高速爆撃機の思想から、欧州の戦闘機全般が迎撃性能を重視した結果とされる。この点が問題になったのは、バトル・オブ・ブリテンと呼ばれたイギリス上空での戦いである。爆撃機を護衛する侵攻戦闘機として開発された双発戦闘機[8]が単座戦闘機に対抗しえず、英国上空での滞空可能時間が15分程度しかなかったことは大きな戦術的制約に、そしてバトル・オブ・ブリテン敗北の一因になった。
本機の翼構造は翼内タンクなどを設置する余地がなかった。また、増槽を装備させるには機内の配管を改めなければならなかったため、現地改修では不可能だった。その燃料配管を改めたBf 109 E-7が1940年9月に部隊配備されたものの、パッキンの不整合による燃料漏れなどがたたり長距離型の運用は遅れた。加えて同時期にイギリスでは、ハリケーンやスピットファイアなどがエンジンのバージョンアップを果たし、速度性能、上昇性能を大きく向上させたMk.IIが空軍に引き渡され始めていた。これらに対抗するBf 109 Fの生産と機種転換に備えるためにもE-7が主力機になることはなかった。
戦局が守勢となり、迎撃が主流となったドイツ上空での防空戦闘では、航続距離・滞空時間の短さは致命的な欠陥とはならなかった。パイロットの声でもこの点を指摘するものは意外と少なく、ベテランにとっては積載燃料により機動に制限がかかるP-51などに対してより優位を占めることができたと言われている[9]。Bf 109を操縦するベテランパイロットは「全備重量ならどんな敵戦闘機にも負けない」と賞賛したとされるが、その理由はこの点にあった[10]。
本機は当初から武装に悩んだ機体だった。理想的武装として搭載する予定だった機首のモーターカノンは振動などの問題点を克服できず、初期には機首上面の機関銃しか使えなかった。Bf 109はもともと主翼内への武装を設計時に想定しておらず、第二次世界大戦の勃発時には無理をして7.92mm機関銃を翼内に装備し、さらにそれを20mm機関砲に増強したが、初速、発射速度、装弾数の点からも満足のいくものではなかった。ちなみに、E型においてようやく20mm機関砲を搭載しているが、当初これはスイスのエリコンFFS機関砲をモーターカノンとして搭載するはずのものだった。しかし、エンジンとFFSの現物を突き合わせてみるとシリンダ間隔が小さすぎて銃が収まらず、国産化されたMGFF機関砲ではこの点を改善したものの、やはり振動からくるトラブルで実用化できず、想定外の翼内装備となった。
念願のモーターカノンはF型になってようやく実現したが、翼内機銃を廃止したため、アドルフ・ガーランドなどの武装重視派とギュンター・ラルなどの運動性重視派との間にいわゆるF型論争が起きている。弱武装を指摘されながら、F型以降では翼内武装は行われず、主翼へ武装を追加する手段は翼下面へ20mm機関砲や30mm機関砲のガンポッド、21cmロケットランチャーを懸架するタイプ(U仕様)などに限られた。これらの火力増強によっても次々に出現する連合軍の大型爆撃機に対抗するには威力不足で、また、翼下へ武装を懸架する方法では、重量と空気抵抗の増加で著しい性能低下を招いた。このことは、主翼への武装強化がすでに本機の性能限界を超えていることを証明していた。続くG型では、G-5以降では機首上面機銃を7.92mm機関銃から13mm機関銃に増強したが、既存の機首内に収まりきらず、ボイレ(こぶ)と呼ばれた突出部を生じ、性能低下を招いている。G-10型以降で過給機の大型化に従って機首全体が膨らんで改修。K型にいたって主翼を設計変更してようやく翼内武装が可能となり、最終型のK-14では機首上面に13mm機関銃、モーターカノンと両翼に30mm機関砲を備える重武装となった。
後継機の開発が進まず、主力戦闘機として改良が続けられたことに加え、戦闘爆撃や写真偵察などにも転用され、多数の派生型が製造された。
ドイツ軍の慣習に従って、AからKまでの各型には非公式の愛称として、該当するアルファベットのフォネティックコードに対応した人名が付けられている。
前生産型。A-E各型のもととなった機体。一部はスペイン動乱で実戦試験に投入された。Vは、Versuch(フェアズーフ=試作)を示す。
Bf 109 A(アウグスト August)は、初期生産型。ユモ 210エンジンが入手できず、ロールス・ロイス ケストレル(570馬力)を搭載し、プロペラは木製固定ピッチ2翅であった。BF 109 V-1と改称され、レヒリンの試験では、比較検討された競争試作機のHe 112V-1を支持するパイロットが多数であった。
メーカーでは性能の実証としてチャレンジ 1934(1934年8月28日から9月16日)へ参戦するためドイツ軍に5機を先行して納入、空軍パイロットの操縦により出場した。結果は燃料消費競技と最高速度競争で表彰台を独占したが、事故で1機が破損した。
Bf 109 B(ベルタ Berta)は、1936年11月に初飛行したBf 109 V-4(4号機)がBf 109 B-01と呼ばれるB型の原型機で、Jumo 210 Aを搭載した。12月に初飛行した改良型のV5とV6はJumo 210 Bエンジンを搭載した。
これら3機がスペイン動乱で1936年の12月の末頃に試験的に投入された。B型は正式採用されて量産型がレーゲンスブルクに新工場を設けて始まった。
Bf 109 C(ツェーザー Cäser、またはクラーラ Clara)は、主にスペイン動乱からポーランド侵攻にかけて少数が使用された。なお、「ツェーザー」は人名のほか、ローマ帝国皇帝カエサルを特に指す固有名詞的な使い方もされる。
機首上面と翼内に各2門のMG 17 機関銃を装備した。20mm MGFF機関砲を搭載することが予定されたC-3は生産されなかった。
Bf 109 D(ドーラ Dora)は、Jumo 210を搭載した機体で、主にスペイン動乱からポーランド侵攻にかけてある程度の機数が使用されたが、すぐにBf 109 Eが登場したため戦場に長くは留まらなかった。D-3型には翼内機関砲としてMG FFが搭載され、極少数が生産された。
Bf 109 E(エーミール Emil)は、ダイムラー・ベンツ DB 601 Aを搭載した機体で、第二次世界大戦初期の主力機となった。E-1は機首上面と主翼にMG17を合計4門装備した。E-2型はMG FFをモーターカノンとして装備したが機首上面のMG17共々振動問題を克服できず、後に続くE-3型ではMG FFは翼内装備となった。E-4型にはMG FF/Mが装備され強装薬の薄殻榴弾の使用能力を得、バトルオブブリテンが始まると共に以前の型式もE-4型に改装された。E-5はE-3型の、またE-6型はE-4/N型の偵察型として生産され、共にMG FFを外してカメラとMG17を2門装備していた。バトルオブブリテンで航続距離の短さが問題となり、300Lの増槽が装備可能なE-7型が生産されて40年8月の下旬に戦線投入された。E-4型とE-7型には出力向上させたDB 601 Nも使用され、それぞれE-4/NとE-7/Nと呼ばれた。E-8型はE-1型に増槽を装備できるよう改造した型で、E-9型はE-7/Nの偵察型としてMG FF/Mを外してカメラを搭載した型だった。E-1とE-4型には派生型の戦闘爆撃機仕様のE-1/B、E-4/B、E-4/BNが存在し、E-7/NにはGM-1を装備したE-7/NZが存在した。
Bf 109 F(フリードリヒ Friedrich、またはフリッツ Fritz)は、ダイムラー・ベンツ DB 601 N及び改良されたDB 601 Eエンジンが搭載された機体。空気抵抗を減少させる設計に刷新された。この型式にいたってようやくモーターカノンの搭載が可能になり、大きな性能向上を果たした本機は中期の主力機となった。
Bf 109 G(グスタフ Gustav)は、DB 601の改良版にあたるダイムラー・ベンツ DB 605エンジンを搭載した機体。多数の派生型が開発され、後期の主力機となった。
Bf 109 H(ハインリヒ Heinrich)は、Bf 109 F-4から開発された高々度戦闘機型。形式名「H」はHochleistungsjäger(高性能戦闘機)またはHöhenjäger (高々度戦闘機)を意味する。
翼幅が拡張され高度10,100mにおいて750km/hでの飛行が可能とされた。少数のH-1が量産され高々度偵察任務に就いたが、主翼の強度不足とより高性能なTa152Hの出現により、それ以上の開発は中止された。
Bf 109 K(クーアフュルスト Kurfürst)は、量産された最後の機体で、後継機開発の失敗が決定的となったことから生まれた速度向上型。なお、「クーアフュルスト」とは「選帝侯」のこと。戦争末期に完成し2機のみ配備されたK-14型では2段2速過給器付きDB 605 Lを搭載し、高度14,000mで740km/hとされている。
Bf 109 T(トレーガーフルークツォイク Trägerflugzeug)は、E-3型にカタパルトフックとアレスティング・フックを追加、主脚強化、主翼延長と翼端を折りたたみ式に改造した艦上戦闘機型。航空母艦「グラーフ・ツェッペリン」に搭載する予定だった。フィゼラー社担当でまず先行量産型T-0型を10機製作、E-4/N型ベースのT-1型60機の量産が進められた。しかし空母が未完成に終わったため、完成した機体から艦載用装備を撤去、航続距離が長いことからノルウェーや北西ドイツの陸上基地で部隊運用された。基本的な問題である轍間距離の狭い主脚構造は揺動する飛行甲板に着艦する際に安定性を欠くことになる。この解決策として主翼を延長することで翼面荷重を下げ(1平方メートル当たり135キロ程度に低減)延長された主翼内に燃料タンクを増設することで航続距離を1000km程度まで向上出来た。だが主脚の問題は未解決のままとなっていた。 量産型のT-1型60機はノルウェーのトロンハイム基地やヘリゴランド島基地で防空戦闘機として使われたが主翼の延長で離着陸性能が既存の機体よりも格段に向上した本機は搭乗員を大いに喜ばせたという。
Bf 109 TLは、ジェットエンジン換装型。TLはTurbo-Lader(ターボチャージャー)の略。BMW 003もしくはJumo 004を片翼1基ずつ懸吊し搭載予定。計画のみ。
Bf 109 W(ヴァッサーフルークツオイク Wasserflugzeug)は、水上機型。
Bf 109 Xは、BMW 801空冷星型エンジン換装型。胴体はF型をベースに改造。試作機Bf 109 V-21のみ。
Bf 109 Z(ツヴィリング Zwilling、双子の意味)は、2機のBf 109 Fを合体させて双発機とした機体。実用化されなかった。
イギリス、アメリカ合衆国、スウェーデン、ソ連、フランスなどに鹵獲された機体があった。その他、上記運用国でも互いに鹵獲機を運用していた。
30000機を超える生産数があったものの、アメリカ軍の爆撃やバトル・オブ・ブリテンを始めとした緒戦で消耗し、終戦時に残っていた機体もスクラップにされるなどしたため飛行可能な状態を保っている機体は少ない。航空ショーや映画撮影では飛行可能な機体が多いイスパノ HA-1112-M1Lをドイツ軍風の塗装を施し代役とすることが多い。
ミュンヘンのドイツ博物館に展示されているBf 109 E-3
現存するBf 109の一覧(英語版)を参考にした。
注意:以下のものは除く。
・イスパノ・アヴィアシオン社製 HA-1112
・アヴィア社製 S-199
型名 | 機体番号 | 機体写真 | 国名 | 所有者 | 公開状況 | 状態 | 備考 |
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Bf 109B/V10a | WkNr.1010 | ドイツ | バイエリッシュ・フルークツォイク・ヒストリカー[1] (Bayerische Flugzeug Historiker) |
非公開 | 修復中 | ||
Bf 109E-1 | WkNr.790 | ドイツ | ドイツ博物館 | 公開 | 静態展示 | E-3して展示されている。Nr 2804 AJ + YMと塗装されている。 [2][3][4][5] | |
Bf 109E-1 | WkNr.854 | イギリス | チャールストン航空サービス (Charleston Aviation Services) |
公開 | 修復中 | ||
Bf 109E-1 | WkNr.???? | イギリス | ロブス・ランプルーフ氏 (Robs Lamplough) |
非公開 | 修復中 | ||
Bf 109E-3 | WkNr.1185 | ポーランド | クラクフ・ポーランド航空博物館 | 公開 | 修復中 | ||
Bf 109E-3 | WkNr.1289 | 南アフリカ共和国 | 南アフリカ国立歴史軍事博物館[6] | 公開 | 静態展示 | [7] | |
Bf 109E-3 | WkNr.1342 | アメリカ | フライング・ヘリテージ・コレクション | 公開 | 飛行可能 | [8][9] | |
Bf 109E-3 | WkNr.1407 | ドイツ | ドイツ技術博物館 | 公開 | 静態展示 | E-4の塗装で展示されている。 | |
Bf 109E-3 | WkNr.1983 | イギリス | チャールストン航空サービス | 公開 | 修復中 | ||
Bf 109E-3 | WkNr.2023 | アメリカ | 軍事航空博物館 | 公開 | 静態展示 | [10] | |
Bf 109E-3 | WkNr.2242 | スイス | スイス空軍博物館[11] | 公開 | 静態展示 | [12][13][14] | |
Bf 109E-3 | WkNr.3285 | フィンランド | 中央フィンランド航空博物館 | 公開 | 修復中 | ||
Bf 109E-3 | WkNr.3523 | イギリス | ジム・ピアース氏 (Jim Pearce) |
非公開 | 修復中 | ||
Bf 109E-3 | WkNr.4034 | 写真 | イギリス | レア・エアロ社 (Rare Aero Ltd) |
公開 | 修復中 | E-1Bとして公開されている。[15][16] |
Bf 109E-3 | WkNr.4101 | イギリス | イギリス空軍博物館ロンドン館 | 公開 | 静態展示 | [17][18][19][20] | |
Bf 109E-3 | WkNr.186 | アメリカ | ミュージアム・オブ・フライト[21] | 公開 | 静態展示 | [22] | |
Bf 109E-4 | WkNr.1190 | イギリス | ダックスフォード帝国戦争博物館 | 公開 | 静態展示 | [23][24][25] | |
Bf 109E-4 | WkNr.3579 | イギリス | ビギンヒル・ヘリテージ・ハンガー[26] | 公開 | 飛行可能 | 後にE-1から改良された機体。[27][28] | |
Bf 109E-4 | WkNr.4853 | イギリス | ケント・バトル・オブ・ブリテン博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
Bf 109E-7 | WkNr.3523 | アメリカ | プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館 [29] | 公開 | 修復中 | ||
Bf 109E-7 | WkNr.5975 | アメリカ | マイティ・エイス空軍博物館 | 公開 | 静態展示 | [30] | |
Bf 109F-2 | WkNr.8993 | ドイツ | 不明 | 非公開 | 修復中 | 1943年4月に墜落し、修復中。[31] | |
Bf 109F-2 | WkNr.???? | 南アフリカ共和国 | 南アフリカ国立歴史軍事博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
Bf 109F-4 | WkNr.7108 | フィンランド | 中央フィンランド航空博物館 | 公開 | 静態展示 | [32] | |
Bf 109F-4 | WkNr.7485 | イギリス | チャールストン航空サービス | 非公開 | 修復中 | ||
Bf 109F-4 | WkNr.7504 | ロシア | 不明 | 公開 | 修復中 | [33] | |
Bf 109F-4 | WkNr.8347 | イギリス | チャールストン航空サービス | 非公開 | 修復中 | ||
Bf 109F-4 | WkNr.8461 | アメリカ | マルコーム・ラング | 非公開 | 修復中 | [34] | |
Bf 109F-4 | WkNr.10132 | カナダ | カナダ航空宇宙博物館 | 公開 | 静態展示 | [35] | |
Bf 109F-4 | WkNr.10144 | アメリカ | エア・アセッツ・インターナショナル | 非公開 | 修復中 | ||
Bf 109F-4 | WkNr.10212 | アメリカ | エア・アセッツ・インターナショナル | 非公開 | 修復中 | ||
Bf 109F-4 | WkNr.10256 | アメリカ | ミカエル・R・フラミンガム | 不明 | 保管中 | ||
Bf 109F-4 | WkNr.10276 | アメリカ | エア・アセッツ・インターナショナル | 非公開 | 修復中 | ||
Bf 109F-4 | WkNr.???? | スペイン | 不明 | 公開 | 修復中 | [36] | |
Bf 109G-1 | WkNr.14141 | ノルウェー | 航空歴史博物館 | 公開 | 修復中 | [37] | |
Bf 109G-2 | WkNr.10394 | アメリカ | マルコム・ラング | 非公開 | 修復中 | ||
Bf 109G-2 | WkNr.10639 | イギリス | イギリス空軍博物館コスフォード館 | 公開 | 静態展示 | 英空軍に鹵獲された後、英空軍によって"RN228"の機体番号がつけられた。[38] | |
Bf 109G-2 | WkNr.13470 | ノルウェー | ノルウェー航空博物館[39] | 公開 | 修復中 | ||
Bf 109G-2 | WkNr.13427 | ロシア | 不明 | 非公開 | 修復中 | ||
Bf 109G-2 | WkNr.13605 | ドイツ | マーク・R・オリヴァー氏(Mark R. Oliver) | 非公開 | 修復中 | [40] | |
Bf 109G-2 | WkNr.14055 | ドイツ | エルンスト・クヌートソン氏 (Ernst Knutson) |
公開 | 修復中 | ||
Bf 109G-2 | WkNr.14256 | ブラジル | TAM博物館[41] | 公開 | 静態展示 | [42][43] | |
Bf 109G-2 | WkNr.14649 | ノルウェー | ノルウェー航空博物館 | 公開 | 修復中 | [44] | |
Bf 109G-2 | WkNr.14658 | ロシア | 北方艦隊空軍博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
Bf 109G-2 | WkNr.14743 | フィンランド | フィンランド航空博物館 | 公開 | 静態展示 | [45] | |
Bf 109G-2 | WkNr.14753 | ドイツ | ハノーファー・ラーツェン航空博物館 | 公開 | 静態展示 | [46] | |
Bf 109G-2 | WkNr.14798 | オーストラリア | ウェイン・ドーソン氏(Wayne Dawson) | 不明 | 修復中 | ||
Bf 109G-4 | WkNr.19257 | アメリカ | 軍事航空博物館 | 公開 | 飛行可能 | [47] | |
Bf 109G-4 | WkNr.19310 | ドイツ | シュパイアー技術博物館 | 公開 | 静態展示 | [48][49] | |
Bf 109G-5 | WkNr.15343 | オランダ | 航空博物館 | 公開 | 静態展示 | [50] | |
Bf 109G-6 | WkNr.14792 | セルビア | 航空博物館 | 公開 | 静態展示 | [51][52] | |
Bf 109G-6 | WkNr.15458 | イギリス | C.W.トムキンズ株式会社 | 非公開 | 修復中 | ||
Bf 109G-6 | WkNr.15678 | オランダ | アトランティック・ウォール博物館 | 公開 | 静態展示(胴体のみ) | ||
Bf 109G-6 | WkNr.26129 | フランス | 航空宇宙プロバンス | 非公開 | 修復中 | ||
Bf 109G-6 | WkNr.160163 | アメリカ | 国立航空宇宙博物館 | 公開 | 静態展示 | [53][54][55] | |
Bf 109G-6 | WkNr.163306 | ポーランド | ポーランド航空博物館[56] | 公開 | 静態展示 | [57][58][59][60] | |
Bf 109G-6 | WkNr.163824 | オーストラリア | オーストラリア戦争記念館 | 公開 | 静態展示 | ||
Bf 109G-6 | WkNr.165227 | フィンランド | フィンランド航空博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
Bf 109G-6 | WkNr.167271 | フィンランド | 中央フィンランド航空博物館 | 公開 | 静態展示 | [61][62] | |
Bf 109G-6 | WkNr.411768 | ロシア | ヴァディム・ザドロズニー技術博物館 | 公開 | 静態展示 | [63] | |
Bf 109G-10 | WkNr.610824 | アメリカ | 国立アメリカ空軍博物館 | 公開 | 静態展示 | [64] | |
Bf 109G-10 | WkNr.610937 | アメリカ | エヴァーグリーン航空宇宙博物館[65] | 公開 | 静態展示 | [66] | |
Bf 109G-10 | WkNr.611943 | アメリカ | プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館 | 公開 | 静態展示 | [67] | |
Bf 109G-14 | WkNr.784993 | オーストリア | 航空博物館[68] | 公開 | 修復中 | ||
Bf 109G-14 | WkNr. | アメリカ | 国立第二次世界大戦博物館 | 公開 | 静態展示 | G-14数機から復元された機体。 | |
Bf 109K-4 | WkNr.334253 | ドイツ | アーセナル・45[69] (Arsenal 45) |
公開 | 修復中 | [70] | |
Bf 102F-2 | レプリカ | ロシア | 大祖国戦争中央博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
Bf 109G-6 | レプリカ | アメリカ | ヨークシャー航空博物館 | 公開 | 静態展示 | [71] | |
Bf 109G-10 | レプリカ | アメリカ | コンバット航空博物館[72] | 公開 | 静態展示 | [73] | |
Bf 109G-14 | レプリカ | アメリカ | サンディエゴ航空宇宙博物館 | 公開 | 静態展示 | 機体そのものはG-14として製作されたが、塗装はエース・パイロットのエーリヒ・ハルトマンが搭乗していたG-6のマーキングとなっている。[74] | |
Bf 109?-? | レプリカ | アメリカ | オレゴン航空宇宙博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
Bf 109?-? | レプリカ | ブラジル | TAM博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
Bf 109?-? | レプリカ | アメリカ | プラウドバードレストラン・博物館[75] | 公開 | 静態展示 |
Bf 109 G
1960年代までは飛行可能な機体があったイスパノ HA-1112-M1Lで代用されることが多かった。特に空軍大戦略で使われたHA 1112-M1L(G-AWHK)は、そのままの塗装で多数の戦争映画に出演している。
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