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イベントホライズンテレスコープ (8078 views - Astronomy & Space )

イベントホライズンテレスコープ(Event Horizon Telescope: EHT)は、地球上にある電波望遠鏡を超長基線電波干渉法(VLBI)を用いて結合させ、銀河の中心にある巨大ブラックホールの姿を捉えるプロジェクトである。観測対象は、天の川銀河の中心にある「いて座A*」と巨大楕円銀河M87の中心にある超巨大ブラックホールであり、これを撮影可能な解像度を有している 。イベントホライズンとは事象の地平面を意味する。 現在、マサチューセッツ工科大学のシェパード・ドールマンがプロジェクトディレクター、アリゾナ大学のディミトリス・サルティスがプロジェクトサイエンティスト、ライデン大学のレモ・ティラヌスがプロジェクトマネージャーを務めている。
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イベントホライズンテレスコープ

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イベントホライズンテレスコープ(Event Horizon Telescope: EHT)は、地球上にある電波望遠鏡超長基線電波干渉法(VLBI)を用いて結合させ、銀河の中心にある巨大ブラックホールの姿を捉えるプロジェクトである。観測対象は、天の川銀河の中心にある「いて座A*」と巨大楕円銀河M87の中心にある超巨大ブラックホールであり、これを撮影可能な解像度を有している[1][2][3][4][5] 。イベントホライズンとは事象の地平面を意味する。

現在、マサチューセッツ工科大学のシェパード・ドールマンがプロジェクトディレクター[6]アリゾナ大学のディミトリス・サルティスがプロジェクトサイエンティスト、ライデン大学のレモ・ティラヌスがプロジェクトマネージャーを務めている[7]

概要

EHTは、世界中の複数の電波望遠鏡を結合させることで非常に高い感度と解像度を実現している。超長基線電波干渉法を用いることで、何千キロメートルも離れたところにある電波望遠鏡を結び付けて、地球と同じサイズの口径を持つ仮想的な電波望遠鏡を構成することができる[8]。EHTの実現のためには、サブミリ波での両偏波観測可能な受信機、230-450GHzの周波数帯でVLBIを実現できる高安定な基準周波数信号、広帯域なVLBIバックエンドとデータ保存装置の開発と、サブミリ波VLBI観測が可能な天文台での試験観測が必要であった[9]

2006年に最初のデータを取得して以来、EHTは徐々に参加する望遠鏡の数を増加させていった。天の川銀河中心にあるいて座A*の画像を取得するための初めての観測は2017年4月に実施されたが[10][11]、EHTに参加する南極点望遠鏡の冬季閉鎖により、データの輸送と処理が2017年12月にずれ込んだ[12]。超巨大ブラックホールの画像が撮影されれば、アルバート・アインシュタインが提唱した一般相対性理論の検証が可能である[8][11]

EHTの観測で取得されたデータは、ハードディスクドライブに保存され、飛行機で(いわゆるスニーカーネット)各望遠鏡からマサチューセッツ工科大学ヘイスタック天文台とマックスプランク電波天文学研究所に運ばれ、40Gbit/sのネットワークで結合された800個のCPUを擁するグリッド・コンピューターで処理される[13]

研究成果

2019年4月10日13時 (UTC) 、日本アメリカ合衆国ベルギーチリ中国台湾で同時に研究成果についての記者会見が開かれ[14]、初めてM87中心の巨大ブラックホールの撮像が公開された[15]。この観測により、超大質量ブラックホールの事象の地平面の周囲に存在する光子球[16] (photon sphere[16]) の存在とそれが作るブラックホールシャドウ[15][16]が直接確認された[15]。ブラックホールシャドウのサイズは1000億km、事象の地平面の直径は400億kmと見積もられている[15]

参加機関

2019年現在、EHT評議会に代表者を出している機関は以下の13機関[6]。その他、EHTコラボレーションに個人として参加している研究者を含めると、76機関、206名が参加している[6]

EHTに貢献している機関・望遠鏡は以下の通りである[18]

脚注

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  1. ^ Falcke, Heino; Melia, Fulvio; Agol, Eric (2000). “Viewing the Shadow of the Black Hole at the Galactic Center”. The Astrophysical Journal 528 (1): L13-L16. arXiv:astro-ph/9912263. Bibcode 2000ApJ...528L..13F. doi:10.1086/312423. ISSN 0004637X. 
  2. ^ Bromley, Benjamin C.; Melia, Fulvio; Liu, Siming (2001). “Polarimetric Imaging of the Massive Black Hole at the Galactic Center”. The Astrophysical Journal 555 (2): L83-L86. arXiv:astro-ph/0106180. Bibcode 2001ApJ...555L..83B. doi:10.1086/322862. ISSN 0004637X. 
  3. ^ Event Horizon Telescope”. Event Horizon Telescope. 2019年4月7日閲覧。
  4. ^ Overbye, Dennis (2015年6月8日). “Black Hole Hunters”. NASA. https://www.nytimes.com/2015/06/09/science/black-hole-event-horizon-telescope.html 2019年4月7日閲覧。 
  5. ^ Overbye, Dennis; Corum, Jonathan; Drakeford, Jason (2015年6月8日). “Video: Peering Into a Black Hole”. New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/video/science/100000003725182/peering-into-a-black-hole.html 2019年4月7日閲覧。 
  6. ^ a b c “イベント・ホライズン・テレスコープ ファクトシート” (プレスリリース), 国立天文台, http://www.nao.ac.jp/news/sp/20190410-eht/factsheet.pdf 2019年4月11日閲覧。 
  7. ^ Organization”. Event Horizon Telescope. 2019年4月7日閲覧。
  8. ^ a b O'Neill, Ian (2015年7月2日). “Event Horizon Telescope Will Probe Spacetime's Mysteries”. Discovery News. http://news.discovery.com/space/astronomy/event-horizon-telescope-will-probe-spacetimes-mysteries-150702.htm 2019年4月7日閲覧。 
  9. ^ Event Horizon Telescope”. MIT Haystack observatory. 2019年4月7日閲覧。
  10. ^ Webb, Jonathan (2016年1月8日). “Event horizon snapshot due in 2017”. BBC News. https://www.bbc.com/news/science-environment-35258378 2019年4月11日閲覧。 
  11. ^ a b Davide Castelvecchi (2017-3-23). “How to hunt for a black hole with a telescope the size of Earth”. Nature 543 (7646): 478-480. Bibcode 2017Natur.543..478C. doi:10.1038/543478a. PMID 28332538. http://www.nature.com/news/how-to-hunt-for-a-black-hole-with-a-telescope-the-size-of-earth-1.21693. 
  12. ^ EHT Status Update, December 15 2017” (英語). eventhorizontelescope.org. 2018年2月9日閲覧。
  13. ^ Mearian, Lucas (2015年8月18日). “Massive telescope array aims for black hole, gets gusher of data”. Computer World. http://www.computerworld.com/article/2972251/space-technology/massive-telescope-array-aims-for-black-hole-gets-gusher-of-data.html 2019年4月7日閲覧。 
  14. ^ これがブラックホールの姿! 史上初、撮影に成功”. AFPBB (2019年4月10日). 2019年4月11日閲覧。
  15. ^ a b c d “史上初、ブラックホールの撮影に成功 - 地球サイズの電波望遠鏡で、楕円銀河M87に潜む巨大ブラックホールに迫る” (プレスリリース), 国立天文台, (2019年4月10日), http://www.nao.ac.jp/news/science/2019/20190410-eht.html 2019年4月10日閲覧。 
  16. ^ a b c 秋山和徳; 本間希樹 (2018-06). “Event Horizon Telescopeによる超大質量ブラックホールの事象の地平面スケールの観測”. 天文月報 (日本天文学会) 111 (6): 358-367. ISSN 03742466. 
  17. ^ The Event Horizon Telescope and Global mm-VLBI Array on the Earth”. www.eso.org. 2019年4月11日閲覧。
  18. ^ Affiliated Institutes”. Event Horizon Telescope. 2019年4月7日閲覧。

参考文献

  • Non-technical: The Black Hole at the Center of Our Galaxy (2001), Fulvio Melia (Princeton University Press), 0691095051
  • Technical: The Galactic Supermassive Black Hole (2008), Fulvio Melia (Princeton University Press), ASIN B008VQXCN2


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